20代で『チーズはどこへ消えた？』に衝撃を受けた理由

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この記事では、私が20代後半で初めて読んだ『チーズはどこへ消えた？』という本が、
どれほど価値観を揺さぶった一冊だったかを振り返ります。

40代になった今読み返すと「当たり前のこと」が書かれているようにも思えます。
でも、当時の私は根性論の真っ只中にいて、変化することを“逃げ”だと本気で信じていました。
だからこそ、この本が心に刺さりました。

20代の私は「諦めないことこそ正義」だと思っていた

20代後半、私は学習塾で働いていました。
その頃はとにかく「諦めるな」「続けることが大事」という価値観が強く、
生徒にも同じことを伝えていました。

塾の営業活動でも、途中で止まることは“逃げ”とみなされる雰囲気があり、
根性論に寄った空気の中で働いていました。
でも、どれだけ頑張っても自分の中で何かが噛み合わない感覚が続いていました。

そんな時に出会ったのが『チーズはどこへ消えた？』でした。

当時の私は「新しいチーズを探しに行く」という考え方そのものが衝撃でした。
今の環境に見切りをつけ、新しいことに挑戦することは“逃げ”だという価値観の中にいた私には、
「チーズはもうない。新しい場所へ探しに行くんだ」
というメッセージは、まるで頭を殴られたような感覚でした。

この言葉があったからこそ、私はやっと「動く」という選択肢を考えられるようになりました。

薄い一冊で30分もあれば読めるのに、
自分がどれほど“現状維持バイアス”に縛られていたかを気づかせてくれました。

当時は、転職市場も冷え込んでいたこともあり、転職したら後悔するかもしれない。
新しい環境でうまくいく保証なんてどこにもない。
ずっとそう思って動けませんでした。

でも、今が死ぬほどつらいなら、
「どちらにしても同じじゃない？」
と気づいたのはずっと後になってからです。

根性論で固まった価値観のままでは、変化に対して必要以上に恐怖を感じてしまう。
それをこの本が優しくほぐしてくれました。

40代になった今読み返すと、書かれていることは驚くほどシンプルで、むしろ当たり前です。

でも、20代の私は

という価値観の中で苦しんでいました。
だからこそ、この一冊がとても大きな意味を持ちました。

今の若い世代のように「正しい努力をする」「転職も当たり前」と考える価値観で育っていれば、
もしかしたらここまで衝撃は受けなかったかもしれません。
今、この記事を読んでくださっている若い方の中には、「当たり前のことじゃな？」と思う方もいると思います。

でも、だからこそ、刺さる年代・刺さる環境がある本だと感じています。

『チーズはどこへ消えた？』は薄い一冊ですが、
当時の私にとっては「価値観のリセットボタン」みたいな本でした。

そんな当たり前のことを、ストーリー形式で静かに、
でも真っ直ぐに教えてくれました。

この本を読んだからすぐ転職したわけではありません。
でも、「今いる場所だけが正解じゃない」と知るだけで、
気持ちがずいぶん軽くなったのを今でも覚えています。

もし今、
「変化したいけれど不安」
「今の環境がしんどいけれど動けない」
そんな気持ちが少しでもあるなら、
30分あれば読めるこの本が、何かのきっかけになるかもしれません。

その後、私は何度かの転職を経て、現在に至ります。
キャリアに悩んでいる方の参考になれば、と等身大の思いを書いているので、興味を持たれた方は読んでくださるとうれしいです。

20代で根性論の真ん中にいた私に、
『チーズはどこへ消えた？』は「世界の見え方」を少し変えてくれました。

40代の今読み返すと、当時ほどの衝撃はもうないけれど、
それでも「動くことを怖がらなくていい」というメッセージは、今の私にもやさしく響きます。

変化を前に立ちすくんでいる人にこそ、
一度読んでほしい本です。